

もし、建設業許可が取り消されたり、更新忘れで失効してしまったら……。
「今やっている工事は、途中で投げ出さなきゃいけないのか?」「違法施工になってしまうのか?」と、頭が真っ白になるかもしれません。
結論から言うと、「許可を失う前に契約した工事」に限り、そのまま施工を続けることが可能です。しかし、そこには非常に厳しい「通知ルール」や「罰則」が存在します。
本記事では、福島県で建設業を営む皆様へ、許可取消し・失効後における建設工事の措置(建設業法第29条の3)について、実務のポイントを解説します。
建設業法第29条の3では、許可が効力を失った後の工事について次のように定めています。
【建設業法 第29条の3 第1項(要約)】
許可の有効期間満了(更新忘れ)、営業停止処分、または許可取消処分を受けた場合であっても、「その処分を受ける前に締結された請負契約」に係る工事については、引き続き施工することができる。
つまり、処分を受けた瞬間に現場を止める必要はありません。ただし、これには「2週間以内の通知義務」という絶対的な条件がセットになっています。
許可が効力を失った、あるいは処分を受けた日から2週間以内に、その旨を工事の注文者に書面等で通知しなければなりません。
⚠️ 通知を怠った場合の罰則(法第52条)
この通知を無視、あるいは忘れてしまった場合、「100万円以下の罰金」に処される可能性があります。許可を失った上に罰金まで科されるという、最悪の事態は絶対に避けなければなりません。
許可がない状態で工事を続ける間、その業者はどのような扱いになるのでしょうか?
未完成の工事を完成させる目的の範囲内に限り、その業者は引き続き「建設業者」とみなされます。これにより、最後まで責任を持って施工を全うする義務が生じます。
ここが非常に重要なポイントです。特定建設業の許可を持っていた業者が許可を取り消された場合、「新たな下請契約(5,000万円以上、一式8,000万円以上)」を締結することはできません。
つまり、処分後に大きな下請け発注が必要になっても、特定業者としての権限は使えないため、現場運営が極めて困難になるリスクがあります。
原則として工事は継続できますが、例外があります。
国土交通大臣や都道府県知事(福島県知事など)は、「公益上必要がある」と認める時は、その工事の差し止めを命じることができます。
例えば、技術者が不在で安全管理が全くできないなど、そのまま施工を続けさせることが危険だと判断された場合は、強制的にストップがかかります。
施工側が「工事を続けたい」と言っても、決めるのは注文者です。
工事の注文者は、施工者から「許可を失いました」という通知を受けた日、またはその事実を知った日から30日以内であれば、請負契約を無条件で解除することができます。
「許可を取り消されるような業者には任せられない」と判断されれば、その時点で仕事は打ち切りとなります。これは注文者を保護するための強い権利です。
建設業許可の取消し・失効後の施工ルールをまとめると以下の通りです。
何よりも大切なのは、「取り消される前、失効する前に手を打つこと」です。更新時期の管理や、人的要件のチェックに不安がある経営者様は、手遅れになる前にご相談ください。
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や行政書士等の専門家へご確認ください。