

「順調に営業していたはずなのに、ある日突然、許可が取り消された……」
そんな経営者にとっての「瀬戸際」とも言える事態は、決して他人事ではありません。建設業許可は取得するよりも「維持する」ことの方が難しいと言われるほど、厳格な継続ルールが存在します。
前回の記事で解説した「技術者の兼務」も、一歩間違えればこの『許可取消し』の引き金になり得ます。本記事では、建設業法第29条に定められた許可取消しの全要件と、一発アウトで5年間復活できない「不利益処分」の恐怖について、実務の視点からどこよりも分かりやすく解説します。
建設業法第29条では、国土交通大臣または都道府県知事が、一定の事由に該当する建設業者に対して「許可を取り消さなければならない(必要的取消し)」と規定しています。
【建設業法 第29条 第1項の主な内容】
※第2項では、許可に付された「条件」に違反した場合、許可を取り消すことができる(任意的取消し)とされています。
これらは「意図的ではないミス」や「環境の変化」による取消しです。要件を整え直せば再取得は可能ですが、空白期間は営業ができません。
【経営業務の管理責任者・営業所専任技術者】は常勤が必須です。退職や死亡により不在となった場合、即座に後任を補充できなければ許可は取り消されます。1日も欠かすことはできません。
役員等が特定の法令違反で罰金刑以上を受けたり、破産したりした場合です。詳細は当サイトの「欠格要件まとめ」をご参照ください。
他県に営業所を増やす(知事→大臣)等の際に、新しい許可を受けないまま前の許可の効力が切れると取消しとなります。
許可取得後1年以内に営業開始しない、または1年以上休止した場合です。ただし、「営業活動はしているが受注がなかった(売上ゼロ)」という場合は、営業活動自体は行っているため、直ちに取消しにはなりません。
法人の合併消滅や破産、または個人の相続において認可が下りなかった場合、法的に許可は消滅します。
悪質と判断された場合の取消しは、会社にとって致命傷となります。
一発アウトの重いペナルティ
不利益処分により許可を取り消されると、その後5年間は許可を再取得することができません。
経営業務管理責任者の経験年数の水増し、専任技術者の常駐実態の虚偽記載などが該当します。「バレなければいい」という考えは、5年間の業界追放リスクを伴います。
軽微な違反に対する「指示」に従わない、または「営業停止期間中」に営業活動を行った場合、最も重い取消処分が下されます。
取消しが行われる前には、行政庁から意見を言う機会(聴聞など)が与えられますが、事実関係が明らかな場合、処分を覆すのは極めて困難です。「取り消される前に専門家へ相談する」ことが唯一の回避策です。
建設業許可の取消しは、会社の社会的信用を失墜させ、従業員や下請け業者の生活を脅かします。
許可の維持に不安がある、または「これって取消し事由に当たるの?」と疑問を感じたら、お早めに建設業専門の行政書士へご相談ください。
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や行政書士等の専門家へご確認ください。