解体工事業の許可(業種追加)と登録の違い|平成27年度以前の資格者は要注意!
「うちは昔から『とび・土工』の許可で解体工事もやっているから大丈夫」。そう考えている社長様、実はその認識のままでは建設業法違反になってしまう恐れがあります。
法改正に伴う経過措置は完全に終了しており、現在は解体工事のルールが劇的に変わっています。
本記事では、解体工事における「登録と許可の違い」や、既存業者が「解体工事業の許可(業種追加)」を取得するための実務上の注意点を解説します。
1. 「とび・土工」で解体工事ができた時代は終わりました
かつて、建物の解体工事は「とび・土工工事業」の許可に含まれていましたが、建設業法の改正により
「解体工事業」が独立した新たな業種として新設されました。
法改正時に設けられていた経過措置は
すでに完全に終了しています。 現在、500万円以上の解体工事を請け負うためには、明確に「解体工事業」の許可(または業種追加)を取得していなければなりません。
2. 【福島県実務】解体工事の「登録」と「許可」の違い(500万円の壁)
福島県内で解体工事を行う際、よく混同されるのが「
解体工事業の登録」と「
建設業許可」の違いです。この違いは
「請負金額(500万円の壁)」によって決まり、事業の規模に合わせてステップアップしていくイメージになります。
区分 |
解体工事業の「登録」 |
建設業許可の「解体工事業」 |
根拠法令 |
建設リサイクル法 |
建設業法 |
請負金額 |
500万円未満(軽微な工事) |
500万円以上(制限なし) |
他方の手続き |
建設業許可は不要 |
「登録」が免除(不要)となる |
どちらの手続きが必要?ケース別の判断基準
① 「解体工事業の登録」だけで良いケース(許可不要)
1件の請負代金が500万円未満の工事しか行わない場合は、建設業許可は不要です。現時点で許可要件(経営体制や金銭的信用など)を満たせない業者であっても、この「登録」をしておけば500万円未満の解体工事を適法に行うことができます。
② 「建設業許可」が必要なケース(登録不要)
1件の請負代金が500万円以上の解体工事を1件でも請け負う場合は、必ず「建設業許可(解体工事業)」が必要です。なお、この許可を取得した業者は、自動的に上記の「解体工事業の登録」が免除(適用除外)となります。
既存の「とび・土工工事業」の許可を持っている業者であっても、500万円以上の解体工事を行うには、新たに「解体工事業」の許可(業種追加)を個別に取得しなければならない点には強い注意が必要です。
3. 業種追加の最大の壁!技術者要件の「注8」ルール
既存の建設業者が解体工事業を業種追加する際、最も高いハードルとなるのが「営業所技術者(旧:専任技術者)」の要件です。
⚠️ 【平成27年度以前の資格合格者は要注意!】
福島県の手引きにおける【注8】の規定により、土木施工管理技士や建築施工管理技士などの資格を持っていても、「平成27年度以前の合格者」である場合はそれだけでは技術者として認められません。
該当する方は、追加で以下のいずれかを満たしていることを証明する必要があります。
- 登録解体工事講習を修了していること
- 解体工事に関する「1年以上」の実務経験があること
この「1年以上の実務経験」を証明するためには、過去の解体工事の契約書や請求書等を引っ張り出して審査官を納得させる必要があり、実務上の大きな関門となっています。
4. 技術者になれる主な資格(平成28年度以降の合格等)
上記【注8】の制限を受けない、または要件をクリアした上で、解体工事業の技術者となれる主な資格等は以下の通りです。
5. まとめ:正確な業種追加でコンプライアンスの遵守を
「知らずに500万円以上の解体工事を請け負ってしまった」では、最悪の場合、無許可営業として重いペナルティが科されるリスクがあります。既存顧客からの信頼を守り、適法に事業を拡大していくためには、事前の正確な要件確認が不可欠です。
※留意事項
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。