営業所技術者の資格・実務経験要件まとめ:一般・特定の基準と福島県審査の注意点
建設業許可を取得する上で、経営業務の管理責任者(常勤役員等)と並ぶ最重要要件が
「営業所技術者(旧称:専任技術者)」の配置です。各営業所に常勤し、専任で技術上の管理を行う責任者のことを指します。
「うちの会社はどの資格があればいい?」「資格がない叩き上げの場合はどう証明する?」といった複雑な要件を、
どこよりも分かりやすく解説した動画を公開しています。まずは以下の動画(再生ボタン)をタップしてご確認ください!
1. 一般建設業許可の営業所技術者要件
一般建設業の営業所技術者になるためには、以下の
【ア・イ・ウ】のいずれか1つを満たす必要があります。
証明ルート |
具体的な要件内容 |
ア. 国家資格等 |
許可を受けようとする業種に対応した国家資格(2級施工管理技士、技能士等)を保有していること。 |
イ. 実務経験(10年) |
許可を受けようとする建設工事に関して、10年以上(120ヶ月分)の実務経験を有すること。 ※資格を持たない現場叩き上げの職人・社長向けのルートです。 |
ウ. 学歴 + 実務経験 |
指定学科(土木工学、建築学など)を卒業し、かつ以下の実務経験があること。
- 高校・中等教育学校卒業: 5年以上の実務経験
- 大学・高専・短大卒業: 3年以上の実務経験
|
2. 特定建設業許可の営業所技術者要件
特定建設業は、元請として大規模な工事を発注(下請代金の総額が5,000万円以上、建築一式は8,000万円以上)するための許可です。そのため、技術者要件も格段に厳しくなります。
【特定建設業:3つの証明ルート】
- ア. 国家資格等: 許可を受けようとする業種に対応した上位資格(1級施工管理技士、技術士等)を保有していること。
- イ. 一般要件 + 指導監督的実務経験(2年): 一般の要件(ア・イ・ウのいずれか)を満たした上で、元請として請負金額が5,000万円以上の工事について、2年以上の「指導監督的な実務経験」を有すること。
- ウ. 大臣認定: 国土交通大臣が、上記アまたはイと同等以上の能力を有すると認めた者。
🚨 【最重要】特定建設業における「指定7業種」の特別ルール
土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業の「指定7業種」については、上記の「イ(指導監督的実務経験ルート)」は一切認められません。
指定7業種で特定許可を受けるには、必ず「ア(1級資格等)」または「ウ(大臣認定)」の取得者でなければならないため、実務経験でのスライドは不可能です。
特定建設業の営業所技術者(旧専任技術者)になるためのルートは、申請する業種が
「指定7業種」に該当するかどうかで完全に分かれます。
🔍 営業所技術者(特定建設業)の原則と例外
特定建設業の営業所技術者(旧専任技術者)になるためのルートは、申請する業種が
「指定7業種」に該当するかどうかで完全に分かれます。
指定7業種「以外」の業種 (大工、内装、とび・土工、解体など22業種) |
指定7業種【例外ルール適用】 (土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園) |
【原則】以下のいずれかでOK
- ① 一級の国家資格等
- ② 指導監督的実務経験(2年)
- ③ 大臣認定
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【例外】実務経験ルートはNG
- ① 一級の国家資格等
② 指導監督的実務経験(2年) ←使用不可
- ③ 大臣認定
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⚠️ 実務上の注意ポイント
土木、建築、電気などの「指定7業種」で特定許可を受けたい場合、どんなに豊富な現場監督経験(指導監督的実務経験)があっても、一級資格(または大臣認定)がなければ要件を満たせません。実務経験でのスライドは法律上、一切認められないためご注意ください。
💡 実務経験ルートで必要となる「指導監督的実務経験」の3条件
指定7業種以外の業種で、資格の代わりに「実務経験」を使って特定の技術者になるには、以下の3つの条件をすべて満たす実績が求められます。
- 1. 「元請」としての実績であること
下請工事ではなく、発注者から直接請け負った(元請)建設工事の経験のみが対象です。
- 2. 当時の基準で「請負代金」を満たしていること
実績とする工事の契約(施工)時期によって、必要な請負代金が異なります。
・現在の工事:4,500万円以上
・昭和59年10月1日~平成6年12月27日までの工事:3,000万円以上
・昭和59年9月30日までの工事:1,500万円以上
- 3. 「通算で2年以上」の期間があること
必ずしも1つの工事で2年以上連続している必要はありません。複数の工事期間を合算して2年以上になれば条件クリアとなります。
【認められる具体的な役職・立場】
技術面での総合的な指導監督を行う立場として、具体的に以下の役職等で工事に携わっていた契約書や注文書、組織図等での証明が必要です。
工事現場主任者 / 工事現場監督者 / 主任技術者 / 現場代理人 / 設計監理者 / 施工監督者 など
3. 福島県知事許可の実務で絶対に押さえるべき注意点
福島県の審査窓口において、営業所技術者の申請で特に厳しくチェックされるポイントです。
① 「過去の常勤性」という隠れた壁(手引きの罠)
営業所技術者は、申請「現在」において常勤(フルタイム勤務)である証明(健康保険証の写し等)を求められます。さらに福島県の実務審査では、実務経験(10年等)を証明する場合、
「その過去の経験期間中も、その会社に常勤で雇用されていたこと(当時の厚生年金記録等)」まで厳格に確認されます。書類が揃わなければ、当時の経験年数はすべて却下されます。
② 「専任」の大原則と他法令との兼任NG
営業所技術者は原則としてその営業所に付きっきりでなければなりません。建築士事務所の管理建築士や、宅建業の専任の宅建士など、
他の法令で専任を要する者と兼任することは原則できません。※ただし、「同一法人」かつ「同一の営業所内」である場合に限り、例外的に兼任が認められます。
③ 実務経験と指導監督的実務経験の定義の違い
- 通常の実務経験: 施工の指揮・監督、または自ら現場で施工に携わった経験を指します。注文書や請求書で証明します。単なる事務や雑務は除外されます。
- 指導監督的な実務経験(特定用): 工事の全般について、現場監督や主任の立場で、工事の技術面を総合的に指導・統括した経験を指します。
④ 経営業務の管理責任者(経管)との兼任は可能
「経営業務の管理責任者」と「営業所技術者」の双方の要件を本人が満たしている場合、「同一の営業所内」であれば、1人の人間が両方を兼任することが可能です。一人親方や少人数の会社が許可を取るための王道スタイルです。
まとめ:動画でわかる基本と、福島県実務の「高い壁」
営業所技術者(旧専任技術者)の要件は、名称が新しくなってもその厳格さは変わりません。動画で解説した通り、資格があればスムーズですが、資格なしの「10年実務経験」で勝負する場合、福島県特有の『過去の常勤性(年金記録などの裏付け)』の壁が立ちはだかります。
💡 動画とテキストの重要チェックおさらい
- 一般: 資格なしなら「120ヶ月分の書類突合」と「当時の常勤性」の証明が必須。
- 特定: 法改正による最新の下請金額基準(5,000万円以上)と、指定7業種の資格縛りに注意。
※留意事項
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。